よみもの
第11話
日本酒製造の技術レベル
私は日本人というのは民族としてたいへん優秀な民族であると思っています。
現代でマスコミに取り上げられる日本人の姿は、へんに欧米化され問題を抱えているように映りますが、日本人に受け継がれた血というものは簡単に変わるものではなく、教育や、家族・親から伝えられる習慣や、狭い国で常に人との関係を意識しながらしか生活できない環境や、そういったものに支えられて今も脈々と受け継がれていると思います。
たとえば治安の良さや世の中の清潔さ。
これらは法律や警察で取り締まっても簡単にできるものではありません。全員ができるわけではなくとも、「人の物を盗んではいけない」「トイレから出るときは手を洗う」といったことは日本人のなかには当然染み付いてる感覚ですが、世界のなかではそうではありません。
ジーンズの後ろポケットに財布を入れて歩けばあっという間に盗まれるのが他の国の常識ですし、トイレの後、手など洗わずにハグするのが常識の国もあります。殺菌剤等配合の手洗いソープがこんなに売れる国も日本ぐらいではないでしょうか。
識字率の高さも世界トップレベルで、誰もが字が読めるというのは日本の常識で世界の常識ではないのです。
日本酒の製造技術にもこういった日本人らしさが脈々と受け継がれ、今日に至っています。
焼酎・ワイン・ビール・ウィスキー等々、世界のアルコール飲料の製造方法と照らし合わせてみても、その発酵管理の技術の高さと緻密さは日本ならではです。
製造過程のみ見た場合であれば、おそらく日本酒製造で良いものを造る技術者は、他の酒類の醸造をしても良いものを造るのではないかと思います。
(社長 田中隆太)